バイアグラとは?

バイアグラとは?

バイアグラはファイザー社によって開発された、世界初のED治療薬で、1998年に米国で、日本では1999年に承認されました。狭心症の治療薬を開発中に、勃起を助ける作用が偶然発見されたのがきっかけです。「飲み薬」として使えるED治療というものはそれまで存在しなかったので、バイアグラの出現は革命的ともいえるものでしたその後もED治療薬はレビトラ、シアリスと増えていきましたが、バイアグラは現在でも世界で最も知名度があり、安全性の高さが証明されたED治療薬です。

バイアグラ50mg 錠剤 バイアグラ50mg錠剤2
バイアグラ25mg 錠剤 バイアグラ錠剤25mg2

*日本国内で100mgのバイアフラは承認されていません。

水なしで使える「ODフィルム」登場

バイアグラのODフィルムは2016年に発売されました。舌の上にのせるとミント味がし、水なしで使うことができます。薄いフィルム状で、一見では薬とわからず、財布にも難なく入ります。成分はバイアグラと同じで、錠剤より処方価格がお得です。「ODフィルム」使い方

バイアグラ50mg ODフィルム バイアグラOD50mg
バイアグラ25mg ODフィルム バイアグラOD25mg

バイアグラの作用機序

バイアグラは勃起を抑制するPDE-5と呼ばれる酵素の働きを阻害することで、陰茎の血管拡張が促される結果、より力強い勃起力が得られる薬です。萎えようとする作用に抗う働きがありますが、性的刺激がなければ勃起はしません。ただし、バイアグラを飲んでいるという事実だけで心理的には良い作用をもたらすことも事実のようです。

バイアグラまとめ
錠剤形状 バイアグラ50mg錠剤サイズ
有効成分 シルデナフィル・クエン酸塩
使い方 性行為のの約1時間前に服用
効果の持続時間 約4時間(50mg時)
服用時の注意(食事) 服用時は空腹が望ましい
服用時の注意(飲酒) ほどほどの量であれば問題なし
副作用 顔のほてり、頭痛、まれに視覚に青みがかる、など
併用禁忌 硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリンなど狭心症・心筋梗塞の薬)ほか
使用時注意 降圧剤など服用中の方
添付文書

効果的な服用法

最も効果的な飲み方(シミュレーション)

性行為の約1時間前に、基本的には水で服用。用量に関わらず1日1錠まで服用できます。食前の服用が望ましいですが、やむを得ず食後になる場合は1時間以上開けて飲んで下さい。効果は服用後、50mgで約4時間、25mgで約2~3時間です。

バイアグラ飲み方

食事の影響

バイアグラは食事の影響を受けやすい薬です。空腹時の服用がベストですが、特に脂っこい食事は有効成分の吸収を妨げるので、なるべくあっさりしたものにするのが良いでしょう。

飲酒の影響

有効成分とアルコールとの相互作用に問題はないとされていますので、ほどほどの量であれば問題ないですが、性行為をするにあたっては適量に留めた方がよいでしょう。

効きが悪いと感じたら

多くの場合、脂っこい食事の直後での服用が原因です。また、過度の飲酒は性的興奮を抑制する働きがあります。効きがいま一つに感じる方は、なるべく空腹時に、飲酒するにしても適量を心がけましょう。また、医師と相談のうえ、用量を50mg以上にすることも一つの方法です。

精神安定剤との併用

理想的な服用方法が守られていても、過去のトラウマや極度の緊張から性的興奮が抑制されてしまい、薬の効果がじゅうぶん得られなくなることがあります。このような心因性EDの原因を一時的に和らげる目的で、精神安定剤を処方することがありますので、医師にご相談下さい。

女性への効能はある?

バイアグラは女性が使用する前提で開発されていませんので、処方は行われません。仮に使用したとしても、明らかな目的や結果が見当たりませんし、副作用の可能性も鑑みると、女性は使用してはいけません。

副作用について

バイアグラの服用後「顔がほてる」「目が充血する」「頭痛がする」などの症状を感じられることがあります。主に血管が拡張した結果起こるものですが、いずれも程度は軽く、時間の経過と共に軽癒してゆくことが殆どです。

代表的な副作用
現れる箇所 主な症状
循環器 ほてり、動悸など
精神・神経系 頭痛、めまいなど
肝臓 AST増加など
消化器 むかつき、口渇、消化不良など
泌尿・生殖器 陰茎痛、射精障害など
呼吸器 鼻炎、鼻閉など
筋・骨格系 関節痛、筋肉痛など
皮膚 かゆみなど
血液 血球の増減など
感覚器 眼充血、視覚障害など
その他 熱感など

もっとも安全な薬の一つに挙げられていても、重度の副作用が全く起こらないという訳ではありません。上記のよくある症状以外を感じたら、すぐに医師にご相談下さい。

頭痛への対処法

よくある副作用のうちの一つである頭痛は、海綿体と共に頭部の血管も広がって神経を圧迫するのが原因なのですが、どうしても痛みが辛いようなら、市販の頭痛薬と併用してもかまいません。

心臓に負担がかかるとは本当か?

バイアグラは心臓に負担をかけるのでは?と言われることがありますが、そもそも循環器の薬として開発中に勃起作用が見つかったもので、心臓に悪いというのはデマといえます。一緒に飲んではいけないニトログリセリンが心臓の薬というのが、誤った情報として伝わったものだと考えられます。いずれにせよ用法に従っていれば安心して使える薬です。

3大ED薬比較表

日本で処方されるED治療薬は、大きく分けて3種類あり、それぞれ小さな違いがあります。効きの感じ方には個人差がありますので、自身の好みが分かるまで少量ずつ試してみるのもよいかもしれません。

バイアグラ  レビトラ シアリス
バイアグラ50mg錠剤2
発売年 1999年 2004年 2007年
特徴 人気定番 早く強い 長い効果
発現時間 約1時間 約30分 1時間強
持続時間 約4時間/50mg 約8時間/20mg 約36時間/20mg
食事影響 あり 多少あり なし

*レビトラは発売終了のため、後発薬バルデナフィルが利用できます。

バイアグラの禁忌・注意事項

禁忌・飲んではいけない方

次のような場合に使うことが出来ません。診察時に確認しますが、途中でお身体の状況などが変わった場合も医師にお知らせください。

併用「禁忌薬」
薬剤名 併用で起こり得る症状
硝酸剤およびNO供与剤(ニトログリセリンなど) 降圧作用の増強
アミオダロン塩酸塩(アンカロンなど) QTc延長作用の増強
sGC刺激剤(アデムパスなど) 症候性低血圧
服用に注意が要る場合

次のような場合には、使用に注意が必要です。バイアグラには血管を広げ、血圧を下げる作用があります。服用中の薬はもれなく医師にお伝えいただき、指示に従ってください。
・脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近6ヵ月以前にある患者
・陰茎の構造上欠陥(屈曲、陰茎の線維化、Peyronie病等)のある患者
・持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者
・PDE5阻害薬又は他の勃起不全治療薬を投与中の患者
・出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者
・多系統萎縮症(Shy-Drager症候群等)のある患者
・重度の腎障害のある患者
・肝機能障害のある患者(重度の肝機能障害患者には投与しない)
・次の薬を服用中の患者

併用「注意薬」
薬剤名 併用で起こり得る症状
チトクロームP450 3A4阻害薬(リトナビルなど) リトナビルなどの血漿中濃度の上昇
チトクロームP450 3A4誘導薬(ポセンタンなど) ポセンタンなどの血漿中濃度の上昇
α遮断薬 眩暈を伴う血圧低下
カルペリチド 降圧作用の増強

バイアグラの歴史

偶然見つかった、勃起持続を促す作用

1990年代前半ファイザー社で狭心症の治療薬として、シルデナフィルの研究がなされていましたが、結果は思わしくなく臨床試験の中止が決まります。治験の終了にともなってシルデナフィル錠を回収しようとした際、治験者の多くが返却を渋り、その理由をたずねたところ、服用時に勃起が強まる作用があることがわかったのです。この副作用を狭心症ではなくEDを適応症とすることで改めて開発がすすめられることになりました。

国内でスピード認証された理由

世界初の飲み薬としてのED治療薬が米国で発売されたとのニュースが日本へ届いた時、その時点で国内での認可がまだだったことで、個人輸入を使ってでも何とか手に入れようという動きが現れ始めました。しかし服用上の注意を確認せず、狭心症などでニトログリセリン服用中の男性が、個人輸入のバイアグラとの併用で死亡する事故がいくつか発生し大きな問題となります。これらの事故や、反社組織も絡むあやしい販売広告などの広がりもあって、厚労省は医薬品の安全性を速やかに図るべく異例のはやさで審査が進み、アメリカで認可された翌年の1999年には日本でも承認が下りることとなりました。

バイアグラ・ジェネリック登場

バイアグラ(一般名・シルデナフィルクエン酸塩)は医薬品としての成分特許が切れたため、同成分のジェネリック薬(後発薬)が、ED治療薬としては初めて発売されました。膨大な開発費用がかかった先発薬に比べ、ジェネリック薬は製造コストを抑えられるため、低価格のバイアグラ後発薬が、2014年より次々と各製薬会社から発売されます。先発薬と成分は同じでも形状や使い易さ等、各社工夫がこらされています。

製薬会社 錠剤外観
シルデナフィルVI「CN」 シオノケミカル シルデナフィル
シルデナフィルVI「FCI」 富士化学工業
シルデナフィルVI「トーワ」 東和薬品
*以上、当クリニック扱いあり「リスト」
シルデナフィルVI「キッセイ」 キッセイ薬品
シルデナフィルVI「あすか」 あすか製薬
シルデナフィルVI「DK」 大興製薬
シルデナフィルVI「テバ」 武田テバ製薬
*以上、当クリニック扱いなし
国内未承認のバイアグラジェネリック

上記に記載がないバイアグラジェネリックはすべて未承認薬です。ご注意下さい。例)カマグラ、カマグラゴールド、マネグラ、バイスマ、センフォース、ゼネグラ、エリアクタ、スハグラ、カベルタ、フィルデナ・チュアブル、パラディグラ、シデグラ、オーログラ、ベガなど。

海外(イギリス)での処方環境

イギリスでは、2018年にバイアグラの一般用医薬品(OTC医薬品)としての販売が認められ、医師の処方箋を受けることなく薬局でバイアグラを購入することが可能となりました。イギリスの医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が、バイアグラが安全であり、一定の症状を抱える男性にとって適切な治療薬であるとの認識を示したことによります。ただし、薬剤師との面談は必要であり、一定の健康状態や薬物との相互作用などについてのスクリーニングが行われます。

販売元がファイザーからヴィアトリス移管

2021年、ファイザー株式会社からヴィアトリス製薬株式会社へ製造販売元と販売会社が移管されました。

厚生労働省の認可を受けていない「薬」

偽造薬に注意

インターネットでの買い物が一般的になり、薬の出所が医療機関なのか、単なる代行業者なのか一見しただけではわからないサイトが世の中に溢れていて、海外からも個人で薬を輸入することも簡単になりました。しかし偽造医薬品も数多く流通しており、厚生労働省や製薬会社も正確な状況を追いきれていないのが実情です。

偽造ED治療薬は、世界中で状況が不明な環境で製造されていて、有効成分の少ない(時には多すぎる)もの、さまざまな不純物が含まれているものも報告されています。海外の正規品に運よく「当たれば」よいですが、価格でもほとんど差はない国内の正規品を敢えて選ばないメリットを見つけるのは難しいはずです。

輸入薬を処方するクリニック

医療機関の中でも、国内で承認されていない海外から輸入した薬を処方するクリニックがあります。薬の安全性とは全く無関係な薬監証明を取得とうたって、出所の確認のしようのない薬剤をビニールのパッケージに詰め直した状態で手渡されることがあります。これらは明らかに日本国内で承認された薬ではないため、万が一重篤な副作用が現れたとしてもPMDA・医薬品副作用救済制度の救済対象とはなりません。

注意が必要な国内未承認のバイアグラジェネリックの例
カマグラ、カマグラゴールド、マネグラ、バイスマ、センフォース、ゼネグラ、エリアクタ、スハグラ、カベルタ、フィルデナ・チュアブル、パラディグラ、シデグラ、オーログラ、ベガなど。

バイアグラの保険適用

厚生労働省は2022年4月からの不妊治療の保険適用を以て、ED治療薬であるバイアグラとシアリスを含む特定の治療薬の処方に健康保険の適用を決定しました。ただし適用の条件が当然厳しく定められているので、特に不妊治療の目的がなく、従前のように自身のタイミングで使いたいという方が処方を受けるのは、あまり現実的ではありません。

バイアグラ ほかED治療薬のオンライン処方

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